デジタル教育の発展と人材育成に貢献することを目的として、エッジコンピューティングを用いたデジタルラーニングシステムGOOCUS Edgeをベースにした寄附講座「モバイルベース・デジタルラーニングの基礎知識と技術」を開催しました。
キャスタリア株式会社(代表取締役:山脇智志/本社:東京都港区、以下「キャスタリア」)は、一般財団法人海外産業人材育成協会(以下「AOTS」)の支援を受け、2025年10月および11月にエチオピア国のアディスアベバ大学 教育研究センター(所在地:アディスアベバ市、センター長:Dr. Berhanu Abera、以下「アディスアベバ大学」)にて、寄附講座「モバイルベース・デジタルラーニングの基礎知識と技術」を実施しました。
キャスタリアは2025年5月にアディスアベバ大学と「デジタル学習の研究および教育活動の推進に関する基本合意書(MoU)」を締結しており、本講座は連携の一環として実現されたものです。
エチオピアにおけるデジタル学習に関する研究協力機関としてアジスアベバ大学とMoUを締結
https://newsjp.castalia.co.jp/2025/05/mou.html
https://newsjp.castalia.co.jp/2025/05/mou.html

講座の内容と目的
本講座は、エチオピアをはじめとするアフリカ地域の教育現場が直面する課題に対し、実践的かつ持続可能な形での貢献を目的として実施されました。現在、アフリカではモバイル端末の普及が進む一方で、教育資源や教員の不足、また都市部と地方の間に横たわる情報格差など、教育インフラにおける構造的な課題が依然として存在しています。こうした背景を踏まえ、本講座ではキャスタリアがこれまで培ってきた「脆弱な通信ネットワーク環境においてのオンラインラーニング」や「デジタル教材のローカル展開手法」などの知見をもとに、「モバイルベース・デジタルラーニングの基礎知識と基本工学」をテーマとした講義を実施。テクノロジーを活用した教育の在り方やその導入手法について、具体的な事例を交えて紹介しました。
講座概要
本講座は二部構成で実施され、アフリカ地域における教育資源や教員の不足、通信インフラの未整備といった深刻な教育格差の課題に対し、具体的なソリューションとしてキャスタリアが開発したモバイル特化型のLMS「Goocus」と、オフライン環境でも利用可能な「Goocus Edge」を紹介しました。なかでも「Goocus Edge」はインターネット接続が不安定または存在しない地域でも、ローカルWi-Fiを介して教材へアクセスできる学習サーバーであり、バッテリー駆動によって電力供給が不安定な環境下でも安定して運用できます。そのため、途上国や災害・紛争地域などにおいても、継続的な教育の提供を支える手段として期待されています。
講義では、Goocus Edge の具体的な活用事例を交えながら、現地ニーズを反映したシステム設計の工夫や、通信インフラに依存せず教育を提供するための実践的なアプローチとその導入による教育効果について体系的に解説しました。
![]() |
| 設備全体 左:エッジサーバ(SIMスロット付属ノートブックPC)、上:アクセスポイント、右:モバイルバッテリー |
Lecture Series 1
「デジタルラーニングのインパクト」
講師:山脇 智志(キャスタリア株式会社 代表取締役 CEO)
日程:2025年10月2日〜8日
Lecture Series 2
「モバイルベース・デジタルラーニングの基礎知識と基本工学(技術編)」
講師:塩入 孔章(キャスタリア株式会社)
アシスタント:Wubetu Noah Eskindir(キャスタリア株式会社)
日程:2025年11月3日〜7日
「デジタルラーニングのインパクト」
講師:山脇 智志(キャスタリア株式会社 代表取締役 CEO)
日程:2025年10月2日〜8日
Lecture Series 2
「モバイルベース・デジタルラーニングの基礎知識と基本工学(技術編)」
講師:塩入 孔章(キャスタリア株式会社)
アシスタント:Wubetu Noah Eskindir(キャスタリア株式会社)
日程:2025年11月3日〜7日
受講生の反応
本講座に参加した学生からさまざまな感想が寄せられました。ここではその一部をご紹介します。
”エチオピア北部では約6年間にわたって紛争が続いており、不安定な電力環境の中に閉じ込められている少女がいると想像できます。LMS(学習管理システム)を使うには、携帯電話を常に充電する必要があり、それはとても不便です。また、高速で安定したインターネットも必要ですが、戦争の影響でそれも提供されていません。そこで唯一の選択肢は「Goocus Edge」を使うことです。
ティグライ州の誰かがコンテンツを作成し、ローカルサーバーにアップロードすれば、その少女はそのコンテンツにアクセスできるようになります。ローカルサーバーにはバッテリーが搭載されているため、電源切れの心配もほとんどありません。少女はローカルサーバーの近くまで行き、ローカルWi-Fiに接続することで、「Goocus」を使ってお気に入りのコースにアクセスできるのです”
Bethelhem Solomon
学生たちは接続状況を心配して、より良い通信環境を求めて移動してしまうかもしれません。たとえ良好な通信環境を見つけたとしても、教材を見るたびにどれだけデータ料金がかかるかを気にするでしょう。もし Goocus Edge にアクセスできれば、一度通信環境の良い場所で教材をまとめてダウンロードし、あとは何度でもオフラインで利用できます。その結果、学習のために使える時間が増え、生産性も上がり、最終的にはより良い成績につながります”
Ruth Gashahun
■ AOTSとは
一般財団法人海外産業人材育成協会(AOTS)は、日本と新興国・開発途上国との間で人材育成・技術交流を推進する公的団体です。本寄附講座は、AOTSの支援を通じて実現し、教育分野における国際連携の一例として注目されています。URL: https://www.aots.jp/
■ Addis Ababa Universityについて
アディスアベバ大学(Addis Ababa University)は、エチオピアの首都アディスアベバに本部を置く、国内最大かつ最も歴史ある国立大学です。その中でも、Center for Educational Research(教育研究センター)とTesting Center(試験センター)は、教育政策の研究と学力評価の専門機関として中心的な役割を担っており、エチオピア国内の教育制度改革や教員養成において重要な拠点となっています。■キャスタリア株式会社について
キャスタリア株式会社は、「教育×ITで社会課題を解決する」を理念に掲げ、モバイルラーニングプラットフォーム「Goocus」を開発・提供しています。独自のプログラミング教育教材と合わせ、日本国内のみならず、中東・アフリカ地域を中心に事業を展開。教育機会の拡大とICT人材育成を通じて、持続可能な社会づくりに貢献しています。URL: https://www.castalia.co.jp/


